2023年01月30日

【前編】Qubenaを活用した「個別最適な学び」「協働的な学び」の実践例

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こんにちは、教育R&Dの木川です。

今回は、自由進度学習を実践される宮崎市立青島小学校について紹介したいと思います。

青島小学校は宮崎市南部の海岸沿いに位置する全校児童130名強の小学校です。学区内には鬼の洗濯板と呼ばれた青島があり、宮崎を代表する観光地となっています。同校では、AI型教材Qubenaの活用モデル校として4年生以上の児童が活用しています。

今回は青島小学校の取り組みについて、種子田先生にお話を伺いました。前編(単元計画)と後編(個別最適な学びの実践例)の2回に分けてお届けします。

単元計画

自由進度学習と個別最適な学びの位置づけ

宮崎市立青島小学校では高学年を中心に個に応じた学びを提供すべく、AI型教材Qubena(キュビナ)を活用して自由進度学習の考え方を取り入れています。

自由進度学習とは、学習者が自ら授業の進度を自由に決められる自己調整学習の手法の一つです。従来の一斉指導では授業のペースをは教師側でコントロールするため、理解がゆっくりな児童生徒は理解不足に陥りやすく、一方で理解が早かったり既に学習内容を分かっている児童生徒は物足りなさを感じやすい構造となっていました。それが自由進度学習であれば、自分のペースで常に適切な負荷の問題と向き合えるので、上記のような課題を解決できます。

この自由進度学習という手法は真新しいものではありませんが、教師は多様な学習教材の準備が必要であり、また、学習者には一定の自己調整力が必要であるため、実施のハードルが高いものでした。しかしながら、学習者の理解度に合わせて個別最適な問題を出題するQubenaを用いることで、容易にそれが行えるようになりました。

 

単元計画の例

今回取り上げるのは5年生の図形の面積の単元ですが、次の表の通り、主に知識・技能に関する内容については自由進度学習で進めています。

児童自身がめあてを立てて学習をするため理解がゆっくりな児童が取り残されてしまうのではないかという心配がよくあげられますが、ある一定の構造化と学習手段の多様化、協働化(詳しくは後編に記載)によって、そういった児童でも学習の効率があがり、教科書通り進めると9時間の扱いのところを、7時間で進めることができています。

5年生の図形の面積の単元を例とした時の単元計画

一方で、その知識や技能を使って、更に思考を深めていく内容については、これまで通り、一斉指導で行うこととしています。

また、自由進度学習で短縮して生まれた2時間を単元の最後に位置づけ、面積に関する応用的な内容についてグループディスカッションなどを通して思考を深める活動に充てています。

 

 

後編では、それぞれの時間の具体的な取り組みについてご紹介します。