はじめに
皆様はじめまして!株式会社COMPASS セールス&サクセス部の舘野と申します。
今回は2022年4月21日に開催された【キュビナレッジ(Qubena×Knowledge)#4 GIGAスクール時代の「学びの個別最適化」実践事例共有会~ 北海道利尻富士町における「Qubena 小中5教科」導入・活用事例 ~】について、当日の様子をご紹介いたします。
「キュビナレッジ」とは?
COMPASSでは、GIGAスクール構想におけるICT教材「利活用」のフェーズに向き合われている、全国の学校教育関係者の皆さまとの情報共有の場として、「Qubena 小中5教科」をご利用中の自治体・学校現場における、ICT化推進の経緯や活用実例をご紹介する、オンラインセミナー「キュビナレッジ(Qubena×Knowledge)」を開催しております。
第4回キュビナレッジ レポート
今回で第4回目の開催となったキュビナレッジでは、下記の方々をゲストにお迎えし、北海道利尻富士町でのQubenaの導入背景や、町立鴛泊中学校でのQubena活用事例などをご紹介いただきました。ちなみに、利尻富士町のQubena活用率は全国トップクラスです!
- 利尻富士町教育委員会 次長 松谷 大輝 様
- 利尻富士町立鴛泊中学校 林 英樹 先生(理科担当)
- 利尻富士町立鴛泊中学校 中山 雅之 先生(社会科担当)
①北海道利尻富士町における「Qubena」導入背景と経緯
登壇者:松谷 大輝 様(利尻富士町教育委員会 次長)
利尻富士町の概要
Qubena導入経緯
Qubena導入前、鴛泊中学校では全国学力調査の結果を受けて「学力向上緊急事態宣言」を発出。生徒自身が苦手な単元やつまずきを把握し、レベル別に学べるよう学習指導の取り組みを検討・実施されている中で、鴛泊中学校から教育委員会へ「使ってみたいAI型教材がある」と打診があり、当時算数数学のみであったQubenaを試験的にご活用いただきました。
その後、町内学校からの熱い要望が最終的な決め手となり、児童生徒の基礎学力の向上を目的として、令和3年度よりQubena小中5教科を導入いただいております。
また、以下の点も利尻富士町が考えるQubenaのメリットとしてお話いただきました。
- 児童生徒
単元項目別で学習できる、苦手な問題やつまずきをAIが判断して自動出題、自身のレベルを把握しながら主体的に復習や予習が可能 - 教員
個人別に解答状況の把握が可能、個に応じた指導の助けとなる
Qubena利活用による今後の展開
上記3つのサイクル軸に、今後は町内教員のスキルアップ研修や定期的な情報共有などをご検討されているそうです。
②鴛泊中学校でのQubena活用方法
登壇者:林 英樹 先生(利尻富士町立鴛泊中学校 教諭:理科)
中山 雅之 先生(利尻富士町立鴛泊中学校 教諭:社会科)
タブレットの活用、環境整備
Google Workspace for Educationをはじめ、各種アプリケーションを導入いただいているうちの一つとして、Qubena小中5教科をご導入いただいております。
活用例(一部紹介)
- Googleフォームでの健康観察
- Googleストリームでの生徒連絡
- Googleクラスルームでの課題や資料の配信、回収 など
家庭学習でのQubena活用
鴛泊中学校では、「授業のはじめ10分間で前時の復習として」「帰りの会前10分間で」「家庭学習で」などさまざまな場面においてQubenaをご活用いただいております。その中でも特に鴛泊中学校が重点をおいている「家庭学習」での事例についてご紹介いたします。
家庭学習において、生徒自身が主体的にQubenaに取り組むための提示として、定期テストの範囲表にQubenaの単元番号を記載するなど実施しており、それらの学習結果を記録するために、以下のような家庭学習の集計表を作成・ご活用いただいております。
※1つの三角が15分、学習した時間を塗りつぶして記録
※赤=Qubenaでの学習、黒=その他教材での学習
その結果、学校全体で家庭学習、またテスト勉強の1つとしてQubenaは欠かせない存在になっており、教員側からの呼びかけをせずとも生徒が主体的にQubenaに取り組むといった学習環境を整えることに成功しました。
観点別評価におけるQubenaの立ち位置
小学校では令和2年度、中学校では令和3年度より変更となった観点別学習状況の評価について、鴛泊中学校では「主体的に学習に取り組む態度」「知識・技能」の2点の評価においてQubenaの学習結果や取り組み状況をご活用いただいております。
「主体的に学習に取り組む態度」の評価におけるQubena活用
「主体的に学習に取り組む態度」の評価の2軸を踏まえ、十分な根拠を基にして客観的に評価するためにはどうすべきかをご検討いただいた結果、鴛泊中学校では以下のように2軸を設定しております。
以下は今年度の鴛泊中学校の理科における評価詳細です。
50点満点中「15点」がQubenaの取り組み状況(学習時間、正答率など)に応じて評価されます。
昨年度はこの評価の中に、Qubenaで取り組む問題数の目安を記載したそうですが、今年度からは問題数よりも定着度を重要視するために、このような評価基準に変更されたそうです。
振り返りシートでは、毎日の授業の振り返りや、家庭での学習を記録していきます。
生徒はQubenaを中心に学習を進めていく中で、必要に応じてその他の教材や問題に取り組むなど、みずからの学習を調整し振り返りシートに記録していきます。
「知識・技能」の評価におけるQubena活用
知識・技能の評価については、50点満点中「10点」をQubenaに記録される習熟度を評価に活用しています。
また、生徒の知識技能が身についている結果として、市販ものを用いた単元テストの達成率をご報告いただきました。
〜まとめ〜
これまでのQubena活用、また今回の発表を通じて、先生方が感じられた「7つ」を最後に挙げていただきました。
時間的・地理的条件を超えて |
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①各種テストで5割6割は解けるというベースが担保される。(知識・技能の問題は概ね解ける) |
②思考力・判断力・表現力を身に付けさせる授業に切り込む時間の余裕が生まれる。 |
③思考する中で疑問に思ったことや解らないことを解決するために、キュビナで確認するサイクルができる。 |
④日本のどこにいても、同じ水準以上の教育が受けられなくてはならない。都市>僻地にしてはいけない。 |
⑤ICTの活用により、得られる情報の差がなくなる。 生徒の活動の幅が拡がる。 |
⑥キュビナの活用により基礎基本のベースが効率的に形成される。 |
⑦この町(利尻富士町)にしかない教育資源を活用した教育に時間を費やせる。 |
また、質疑の時間にいただいたご質問、および鴛泊中学校教諭 林 様からのご回答をご共有します。
Q:お話の中でお話の中で中位〜下位の生徒に効果が見られたとのお話がありましたが、なぜ中位、下位の生徒にとってQubenaは良いのでしょうか?先生方がお感じになっていることを教えてください。
A:特に下位の生徒は何をやれば良いのかなど、初歩段階で迷われてしまうことが多いですが、Qubenaの場合は基礎から始まります。また、その生徒のつまずきに合わせて問題が出題されたり、丁寧な解説があるので、下位の生徒はQubenaをコンパスにして、その単元の基本的な部分をどのように学んでいけば良いのかがわかりやすいと感じています。
おわりに
今回のキュビナレッジでは、利尻富士町でのQubena導入経緯、鴛泊中学校でのQubena活用事例についてご紹介をいたしました。
皆さまの学校におけるQubena活用検討の一助となりましたら幸いです。
第4回キュビナレッジ当日の録画や資料については以下からご確認いただけます。気になった方は是非チェックしてみてください!